SAFを皆様ご存じでしょうか?Sustainable Aviation Fuelの略称であり次世代の航空燃料ともいわれています。化石燃料と比較するとに参加炭素を大幅に削減できます。

SAF | 日経ESG (nikkeibp.co.jp)

原材料の生産から燃焼の過程でのCO2排出量が少なく、環境価値が高いとされるジェット燃料。国際航空運送協会は、50年時点でのCO2排出量を実質ゼロにする目標を設定しており、SAFは実現の切り札とされる。SAFは廃食油・動植物油脂や微細藻類を原料とするバイオジェット燃料の他、大気中のCO2を捕捉し水素などと反応させてつくる液体燃料の開発も進んでいる。世界的にSAFの供給量は足りておらず、航空会社の間で取り合いの状態にある。全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は共に30年度までに燃料の10%以上をSAFに置き換えることを目標にしている。輸入をはじめ、国産SAFの量産や供給網の整備などで協力していく。

アメリカの航空会社はSAFを使った航空燃料を使ったら公的支援が受けやすくなるよう米政府に規制の変更を要請しています。

編集者の視点 「ICAO基準でないSAF」など3本 – 日経GX (nikkei.com)

バイオエタノール由来の持続可能な航空燃料(SAF)が公的支援を受けやすくなるよう、米国の大手航空会社などが米政府に規制の変更を要請しました。ロイター通信が1日に報じました。米インフレ抑制法は国際民間航空機関(ICAO)の基準で温暖化ガス排出量を50%減らすことを支援条件としていますが、米エネルギー省による「GREET」基準も認めるよう求めています。GREET基準については環境団体が、エタノール製造に使う作物を栽培するための開墾に伴う排出量を過小評価していると批判しています。批判の妥当性は別として、制定主体が異なる規格のどちらが優位になるのかという問題だともいえそうです。カーボンクレジットを巡ってもICAOは厳格な基準を示し、供給が追いつくのかどうか懸念する声が出ています。

ANAはSAFを利用したスコープ3削減事業を実施しています。

ANAなど、スコープ3の削減支援 | 日経ESG (nikkeibp.co.jp)

全日本空輸(ANA)は2023年8月、貨物輸送の荷主企業向けに新サービスを提供開始した。貨物を輸送する航空機にSAF(持続可能な航空燃料)と呼ぶCO₂の排出が少ない燃料を使用し、その削減量について第三者機関の認証を得た「CO₂削減証書」を発行する。価格は定期的にSAFの市況に応じて設定する。荷主企業は、製品輸送時に排出するCO₂を削減でき、ライフサイクル全体で排出するCO₂が少ない製品として付加価値を高められる。従来、ANAと直接取引がある貨物代理店向けに同様のサービスを提供していたのを、代理店に貨物を預ける荷主企業に対象を広げた。代理店から荷主企業ごとの輸送実績(重量や距離など)を取得することで荷主企業に証書を発行できるようにした。

世界で脱炭素の機運が高まっており、企業は自社製品のライフサイクルで排出するCO₂の削減を求められるようになっている。ANAの荷主企業も輸送時を含めた製品の脱炭素に取り組まなければ、サプライチェーンから外される恐れがある。今回の新サービスは、そうした企業を支援し、競争力を維持することにもつながる。「ANAグループの脱炭素だけでなく、顧客企業の競争力強化にも貢献していく。それによって自社の輸送サービスを利用し続けてもらうことにもつながる」(乾氏)。

企業がスコープ3の削減を効率的に進めるためには、どこでどれぐらいの排出があるかを把握することが欠かせない。貨物輸送に関わるCO₂排出量を「見える化」するツールを顧客企業に提供しているのが、米フェデックス エクスプレスだ。23年5月に米国でツールを提供開始し、8月には日本を含むアジア太平洋、中東、アフリカの一部地域に広げた。顧客は、貨物の追跡番号ごとの排出量データや過去からの集計データを確認できる。フェデックス エクスプレス ジャパン オペレーションズ マネージングディレクターの久保田圭氏は、「CO₂排出量の少ない輸送ルートを選択するといった顧客の意思決定を支援する。当社のサービスを安心して使ってもらう要素になる」と言う。スコープ3のデータについては、投資家から開示要請が強まっている。IFRS(国際会計基準)財団傘下の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が23年6月に公表したサステナビリティ開示基準では、スコープ3が開示の必須項目になっている。ISSBの基準は今後、IFRSの財務会計基準のように世界に広がり、サステナビリティ情報開示の標準になるとみられる。日本でも、有価証券報告書にサステナビリティ情報を記載する際の基準として、ISSB基準の日本版が採用される見通しだ。フェデックスが提供するツールは、スコープ3を開示する企業を支援することにもなる。「サステナビリティの観点で顧客の関心が高まっており、リアルタイムに近いデータを提供することでニーズに応えていく」(久保田氏)。