大日本印刷と長瀬産業が化粧品・大衆薬を対象に原材料から廃棄・リサイクルまでのカーボンフットプリントを算定するサービスを始めました。大日本印刷の包装ノウハウ、長瀬産業の化学品排出係数ノウハウを組み合わせたサービスになります。具体的にどのような局面で利用されるのでしょうか?

CFP算定支援、素材データ1.5万件で DNP・長瀬産業 – 日経GX (nikkei.com)

化粧品や大衆薬のCFPを精緻に算定する上で、どのサプライヤー(調達先)からどのような細かさでデータを収集すれば良いか悩むメーカーは多い。DNPと長瀬産業は自社やメーカー、サプライヤーが持つデータに加え、業界のデータなどを組み合わせるノウハウを生かし、高精度な算定を支援する。例えば包装材に関しては、環境省などが公表する産業連関表は金額ベースのため実態とは乖離がある可能性がある。通常はLCA活用推進コンソーシアムのデータベース「IDEA(イデア)」に載っている「プラ容器包装」や「紙製容器包装」など大まかな係数を使う企業が多いという。ただ一口に包装材といっても、素材、形、表面加工、インキなど製品ごとに異なる。そこでDNPと長瀬産業は製品の原材料調達、生産、流通・販売、使用・維持管理、廃棄・リサイクルまでの全工程でGHG排出量の計算を支援するサービスを始めた。DNPは包装材、長瀬産業は中身を担当する。

IDEAとはInventory database for environment analysisの略です。環境負荷の見える化を促進するデータベースです。LCA活用推進コンソーシアムという団体が推進しています。会員企業は名だたる大企業ばかりです。

インベントリデータベースIDEAの提供 – LCA活用推進コンソーシアム (aist.go.jp)

IDEAよりきめ細かいGHG算出を支援することをウリにしているようです。

化粧品は「ブランドが重要なビジネス」(長瀬産業の杉田氏)であり、メーカーと消費者の環境意識が高い。サステナビリティー(持続可能性)との親和性が高いと判断し、まず化粧品からサービスを始めた。大衆薬は取引先から要望があったため対象とした。数百万円の費用で数品目のCFP算定を支援する。2024年度までに20の案件に取り組み、代替素材の生産も含めて関連売上高1億円を目指す。将来的に食品の分野にも広げていきたい考えだ。日本企業は素材分野の競争力が高く、多くのデータを持つ。素材のビッグデータがCFPの精度向上やGHGの削減で見直される可能性がある。