CSRD/ESRSの記事を読んでいるとEU 理事会とかECとかいろいろな用語にぶつかります。そこでここではEUの主な機構をおさらいします。

入門 欧州経済 第3回 EUの主な機構 (dir.co.jp)

欧州理事会(European Council)-EUの最高政治機構
欧州理事会は「EU首脳会議」もしくは「EUサミット」とも呼ばれ、加盟国首脳、欧州理事会議長1、欧州委員会委員長から成る機関です。基本的に年4回会議が開催され、EUの全体的な政治指針と優先課題を決定します。ここ数年間で注目された決定事項は、欧州安定メカニズム(ESM)創設、新財政協定創設、銀行監督一元化方針の決定などがあります。

欧州連合理事会(EU Council)-EUの立法機関
通称「閣僚理事会」とも呼ばれ、その名の通り各加盟国の閣僚によって構成される立法機関です。欧州委員会からの発議、もしくは各加盟国からの提案を受けて発議を行い、立法の採択を行います。発議から立法の基本的な過程は、まず欧州委員会から欧州連合理事会に提案が提出されます。次に、提案について会議で討議を行い、欧州議会へ討議・同意の依頼を行います。必要があれば、提案の修正等を欧州委員会へ指示することもあります。そして最終的に提案が欧州連合理事会で採決されます。採決方法には多数決2、または全会一致があります。多数決で採決される政策対象が拡大しています。

欧州議会(European Parliament)-EU市民の代表
欧州議会は欧州連合理事会と平等に立法権を有し、議員は 28 加盟国において直接選挙によって選出されています。予算が正しく執行されているのかという監視機能や、欧州委員会の委員の任命・罷免、委員長選任などに関する権限も持ち合わせています。国の議会と大きく異なるのは、法案の発議権は持ち合わせていないことです。欧州委員会が発議権を持ち、通常の立法手続きにおいては、欧州委員会が欧州連合理事会と欧州議会に法案を提出し、双方で可決されれば、正式に法案成立となります。

欧州委員会(European Commission)-EUの行政執行機関
欧州委員会は各加盟国より 1 名ずつ任命される 28 名の委員によって構成されています。委員は自国の利益・意向に左右されてはならず、EUの利益のために任務を遂行しなくてはなりません。役割は大きく 3 つあり、まずEUの基本条約が守られているかどうかの監視役です。そして、欧州連合理事会に対し政策立案や法案の発議を行います。欧州委員会は、EUの機構において唯一の発議権を持っています(ただし、欧州連合理事会は加盟国の提案を受けた場合、加盟国に代わり発議が出来ます)。さらに行政執行の任務も負い、規制の発令や予算の管理などを行います。欧州委員会の業務は欧州議会によってチェックされており、欧州議会から要請があった場合は、報告書を作成し説明をしなければなりません。

赤字がCRSDの採決パターンなんですかね?