東京証券取引所が株価純資産倍率(PBR)1倍割れの企業に改善策を求めており、改善の鍵はROE改善にあるという記事です。ROE8%越えるとPBRが著しく向上する分析もあり、東証の方は「マジック8」と呼ぶのだそうです。そんな言葉初めて知りました…。

非財務価値、ROEにいかせ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

「とすれば、PBR引き上げのカギはROEの向上にある。「伊藤レポート」が指摘したように、日本企業の低ROEの根本的な原因は売上高利益率の低さだ。原材料費や人件費が高騰するなかで利益率を上げる王道は、財やサービスの付加価値を高めること。企業の戦略的な価格設定が問われる局面だ。一方で、東証の企業価値を巡る議論でも提起されたが、日本では14~15%のROEを達成している企業のPBRが1倍未満という現象も観察されるという。その理由についてアストナリング・アドバイザー代表の三瓶裕喜氏は「(成長戦略などの)説明が足りていない、また、市場が成長を確信するまでに至っていない」ことを挙げた。市場との対話、すなわち投資家向け広報(IR)の拙さだ。」

別の日経記事では同族経営は長期的な視点で経営できるためROAが非に比べて良いという統計数値も出ています。

中計はレカネマブを生むか: 日本経済新聞 (nikkei.com)

4月に会長になるトヨタ自動車の豊田章男社長には在任期間中、曲げなかったことがある。「数値目標」を口にしないことだ。

「トヨタにはかつて「グローバルマスタープラン」という社外秘の長期指針があり、細かく数値目標を規定していた。だが数字が会社と社員を縛り、さらには拡大路線に拍車をかけてリーマン・ショックでたいへんなしっぺ返しを受けた。「ろくなことはなかった」と豊田氏は最近も語っている。もっとも周囲は大変だった。同氏は数字の代わりに「もっといいクルマを」とだけしか語らず、当初は「何をしていいのかわからなかった」という社員も多かった。だが、トップが細部を語らないことで「末端の社員が自分の頭で考え、働くことができたのも事実」とある幹部はいう。同社は典型的な同族企業だ。同族経営の利点は短期主義の弊害を免れ、長期の視野に立ったかじ取りができることだとされる。」