2023年3月期より開示スタートするサステナビリティ情報。そのうちの「従業員の状況」について開示のポイントを経営財務が説明しています。開示例を出している点が参考になります。

金融庁 改正開示府令、多様性指標の開示のポイント|3593号|2023年02月20日|経営財務DB (zeiken.co.jp)

「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正により、有価証券報告書の「従業員の状況」の記載項目が拡充された。今後は、女性活躍推進法等に基づき、「女性管理職比率」「男性の育児休業取得率」「男女間賃金格差」の記載が求められる。有報提出に向けて、これら3つの多様性に関する指標の開示のポイントを確認する。

この3つの指標は、女性活躍推進法等の規定に沿って公表するものを有報でも開示する流れ。企業によっては人事部門などが主導し、既に公表しているケースや準備しているケースもある。実際に厚労省の「女性の活躍推進企業データベース」では多くの公表事例が確認できる。適用初年度にあたって、まずは自社の状況を把握することから始めたい。一方、「対象となる提出会社や連結子会社の情報の集約・開示は難しい」との声もある。これに対して、金融庁はパブリックコメントへの回答において、「女性活躍推進法等による公表義務の対象となる連結子会社のうち、有価証券報告書の提出日までに女性活躍推進法等による公表が行われず、後日公表予定である会社がある場合や、提出会社において連結子会社の公表した情報の集約が困難である場合には、その旨と提出日までに記載可能な情報を記載した上で、後日、未記載分を追加するため、有価証券報告書の訂正を行うことが考えられます」との見解を示している(パブコメNo.12)。困難な場合でも開示が求められるものの、一定の柔軟な対応法を示した形だ。ただし、改正開示府令の適用初年度の翌年度以降は、投資家へわかりやすく情報提供する観点から、「有報提出時に連結子会社分もまとめて開示することが望ましい」としており、情報集約の効率化が求められている。