日立製作所が統合報告書のページ数を半減しました。受賞歴多い統合報告書をトランスフォーメーションするのは非常に勇気のある決断だと思います。私の周りでは統合報告書評価機関からの評価が前年度より落ちた場合、評価回復のために統合報告書をよりシンプルにするというケースが散見されます。そのケースと比べると日立がより高みを目指した開示を志向しているのを感じました。日立クラスの会社で53ページはすごいと思います。
「情報開示の優等生」日立が進めた大胆な断捨離 受賞歴多数の「統合報告書」でページ数を半減 | 経営 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
統合報告書:株主・投資家向け情報:日立 (hitachi.co.jp)
「正直に言うと、投資家から受け入れられるのか不安な面はある。それでも掲載内容の大幅な絞り込みにチャレンジした」。日立製作所のインベスター・リレーションズ担当部長、谷内由布子氏はそう言ってはにかんだ。日立は9月13日に最新の「統合報告書」を公開した。統合報告書は財務情報だけでなく、ESG(環境・社会・企業統治)を視野に入れた経営戦略、人的資本などの非財務情報まで記した資料だ。日立の最新版の統合報告書で刮目すべきは、そのページ数。前年の106ページから53ページへと、一気に半減させたのだ。
大手コンサルのKPMGが行った調査によれば、統合報告書のページ数は年々増加傾向にある。881社に対する調査では、平均で75ページの統合報告書を作成していることがわかった。「61ページ以上」の企業は調査対象全体の66%。この比率は2年前から4%ポイント増加している(KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン「日本の企業報告に関する調査2022」)。ページ数が膨らむ傾向にあるのは、非財務情報の開示ニーズの高まりが背景にある。投資家やステークホルダーなどから、人的資本やサステナビリティ、企業が取り組むべき重要な課題を示す「マテリアリティ」などを詳細に記載するよう求められているのだ。
内容にもよりますが、私の周りの会社見る限りCDPがAクラスの会社であればもはや100ページ超は力作とはいえない感覚あります。
日立ではIR部門の3人が統合報告書の制作を主に担当する。9月中旬の発行に向けて1月には企画の検討を始め、4月から具体的な制作プロセスに入る。発行後は統合報告書を使いながら統合報告書説明会を開くなど、投資家との対話を行っている。そうした投資家との対話の中で、「文章量やページ数が多い」「メッセージの強弱がわかりにくい」といった指摘を受けた。それがきっかけとなり、掲載内容の絞り込みに取り組むことになったという。