SSBJは排出範囲について3つのアプローチを議論しています。

サステナビリティ基準委員会(SSBJ、川西安喜委員長)は9月19日、第21回委員会を開催した。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のS2基準を参考に、温室効果ガス(GHG)排出について議論した。SSBJ事務局は、排出範囲について3つのアプローチから1つを選択することや、連結会計グループとその他の投資先に分けて、スコープ1・2の開示を求める提案をした。

報告企業に含めるGHG排出の範囲を決定する方法を次のうち1つ選択する。①持分割合アプローチ:子会社等の投資先のGHG排出量のうち、持分割合で報告企業の排出量に含める。②経営支配力アプローチ:報告企業が、子会社等の投資先の意思決定機関の支配等を通じて、経営方針を決定する力をもつ場合、持分割合によらず当該投資先のGHG排出量の100%を報告企業の排出量に含める。③財務支配力アプローチ:報告企業が、子会社等の投資先の活動から経済的利益を得る目的で、契約等により財務方針を決定する力をもつ場合、持分割合によらず経済的実質を反映する割合において当該投資先のGHG排出量を報告企業の排出量に含める。

「支配力」で決定する②と③のどちらを用いたかによって、基本的に企業による判定が異なることはない。ただし例外として共同支配企業は、共同出資のため経営支配力を有さない場合がある。例えば、2社が共同で50%ずつ出資して経済的利益を50%ずつ得る場合 、共同支配企業の排出量を②は0、③は50%含める。委員からは「子会社の場合どうなるのか」との質問があった。この点、②と③で差異はなく、子会社の排出量を100%含める。

ちなみにCSRDは②、GHGプロトコルは①-③どれでもOKです。