SSBJでスコープ3のGHG排出量を議論しました。メーカーだとカテゴリ11、金融機関だとカテゴリ15が手ごわいといわれていますが、一方でカテゴリ6&7(出張系)は影響度が小さいといわれています。影響度が小さいカテゴリについて排出量の最も大きなカテゴリーを特定したうえでその100分の1の排出量が見込まれる場合と提案したのがポイントです。提案内容は以下の通り。

SSBJ スコープ3の算定・開示について議論|3626号|2023年10月23日|経営財務DB (zeiken.co.jp)

①スコープ3基準の15のカテゴリーを考慮し、スコープ3の絶対総量を開示する。ただし、重要性が乏しいカテゴリーはその算定に含めないことができる。
②スコープ3の絶対総量にGHGプロトコル(2004年)と異なる方法で算定した排出量が含まれる場合、 重要性があるとき 、これを区分して開示する。
③GHGプロトコル(2004年)により算定したスコープ3は、報告企業の活動に関連する カテゴリー別にその名称と排出量 を開示する。
④GHGプロトコル(2004年)と 異なる方法 で算定したスコープ3は、報告企業の活動に関連するカテゴリー別に排出量を開示できない場合、 関連するカテゴリーの名称 を開示する。
⑤重要性が乏しく算定に含めないことができるカテゴリーの目安を、排出量が最も大きいカテゴリーを特定したうえで、その100分の1以下の排出量が見込まれる場合とする。

委員からは重要性が乏しいカテゴリーの開示を求めない方向性に異論がなかった。ただし⑤について、「スコープ3の算定をしていない企業も多くある中、算定した結果、全てが似た値になり実際は重要性が乏しい開示も強制されてしまうのでは」など懸念を示す声も多く上がった。