かつて長者番付で1位にランキングされた有名なファンドマネージャーである清原達郎氏がESG投資についてコメントしています。ESG投資に関して辛口コメントですが、「確かに」と思わせる示唆もあります。

「ESG投資はやってはいけない」…個人資産800億円超の「伝説の投資家」が忠告する「やってはいけない投資」と「その理由」(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース

私は、このESG投資はまったくナンセンスだと思っています。ガバナンスのGについてはもちろん意味があると思いますが、そもそも環境のEやソーシャルのSの問題に投資顧問会社が口をはさむべきなのでしょうか? 特にEについては複雑すぎてとてもポートフォリオマネージャーに結論が出せる問題だとは思えないのですが。 パフォーマンスの悪いアクティブ運用のマネージャーがクビにならないためにESG投資にしがみついているように私には見えます。彼らには複雑な環境問題を理解するほどの頭はありません。優秀なマネージャーは普通の投資で好パフォーマンスを上げるのでESG投資などやる必要はありません。
従ってESG投資を担当するマネージャーはそれ以外の人たちということになります。何回も言いますがアクティブ運用のマネージャーがベンチマークであるTOPIXのパフォーマンスを上回る成績を残すのは楽ではありません。結果として運用手数料の低いパッシブ運用が人気になってきました。そうなると投資顧問会社の収益は減り、アクティブマネージャーは人員余剰になってきます。ESG投資というのは必ずしもパフォーマンスを競わなくていいわけですからそんな投資顧問会社にとってESG投資はまさに「渡りに船」だったのでしょう。彼らは一斉にESG投資に飛びつきました。
専門家の方の批判を承知で私のイメージだけで申し上げれば「二酸化炭素税を消費税換算で20%程度になるように20年かけて段階的に導入する」「その代わり消費税も段階的にゼロにする」という感じになるのでしょうか(そのくらい強烈な税率でないとCO2は削減されないと思います)。
20年間で二酸化炭素の発生が半分になれば二酸化炭素税は消費税換算で10%に収まりますからほぼTax neutral(税負担に関して中立的、増税にも減税にもならない)です。  いずれにせよ今後数年内にCO2削減のための本格的な枠組みが設定されるはずです。それによってCO2削減の不毛な議論はなくなっていくのでは。当然、今はやりのESG投資も下火になっていくと思います。わけのわからないESGファンドを買うぐらいなら手数料の安いTOPIXのETFでも買っておいた方が得だと思います。