我が国のサステナビリティ開示基準に関する公開草案がついにリリースされました。強制適用時期及び適用対象企業がまずは気になるところだと思います。キーワードは①プライム全部が一部適用、具体的には時価総額3兆円企業から最速2027年3月期より適用②保証は開示と同時か一年遅れ③基準は国際基準(IFRS)とほぼ同じ④保証も見据えた内部統制の整備が必要、の4点です。
日本企業の気候関連基準、温暖化ガスは供給網も開示 – 日本経済新聞 (nikkei.com)


サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は29日、日本企業の気候関連開示基準の草案を公表した。温暖化ガスは自社拠点での排出分だけでなく供給網上の排出分も開示を求める。時価総額の大きい東証プライム企業は早ければ2027年3月期から強制適用となる可能性がある。対象企業は徐々に広がる見通しで開示体制構築が急務となる。
SSBJが国内サステナ開示の適用基準、一般基準、気候基準の草案を公表した。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が作ったグローバル基準をベースに、気候関連の財務リスクや業績拡大などの機会、温暖化ガス排出量、気候関連目標などを開示する。
温暖化ガスは自社拠点での直接排出(スコープ1)、自社拠点でのエネルギー使用に伴う間接排出(スコープ2)に加え、原材料や製品利用など供給網での排出(スコープ3)も開示が必要だ。「3」は自社グループ外のため精緻な集計が難しい。
SSBJ基準はISSB基準と異なる部分もある。SSBJではスコープ1~3それぞれに加え合計値も開示することを提案している。ISSBにはない上乗せ要求だ。企業の選択肢を増やす案も盛り込まれた。例えばISSBでは気候リスクに脆弱な資産や事業活動の「数値や比率」が必要だが、SSBJはそれ以外の「規模に関する情報」も認める。
SSBJは7月末までコメントを募り、25年3月末までに最終基準を公表する。3月期決算企業は早ければ25年3月期に関する報告から同基準を適用できるようになる。
金融庁は有価証券報告書におけるSSBJ基準での開示をプライム上場企業に順次義務化する方向だ。26日の金融庁ワーキンググループではまずプライム企業のうち時価総額3兆円以上を対象に、27年3月期または28年3月期から義務化する案が示された。

記事で触れている26日の金融庁ワーキンググループの概要は過去記事をご覧ください。

公開草案は下記LINKで掲載されています。
サステナビリティ基準委員会がサステナビリティ開示基準の公開草案を公表|サステナビリティ基準委員会 (ssb-j.jp)