人的資本に特化した報告指針であるISO30414を取得する企業が増えてきました。人的資本可視化指針(非財務情報可視化研究会)によると人的資本の開示にあたっては「独自性」と「比較可能性」のバランスを確保するのが大事、と記載されています。ISO30414取得企業が増えることで「比較可能性」を強化した開示が実現できると思いました。

「人的資本」開示 国際認証相次ぐ: 日本経済新聞 (nikkei.com)

20220830shiryou1.pdf (cas.go.jp)

「人材を資本とみなす「人的資本」の開示に向け、国際認証を取得する企業が相次いでいる。国際規格の策定を手がける非営利組織「国際標準化機構(ISO)」の認証を豊田通商などが取得した。取り組みが他社と比べやすくなるとして投資家から注目されている。2023年3月期から国内で人的資本の開示が義務化されるのを控え、開示を工夫する動きが広がりそうだ。」

「ISOが18年に公表した「ISO30414」は人的資本に特化した報告指針で珍しい。採用や多様性、生産性、スキルなど11項目にわたり、58の指標を定めている。「コンプライアンス研修を受けた従業員の割合」「総労働力コスト」などの指標は外部公開が推奨されている。指標ごとに準拠状況を評価され、平均で7割以上の準拠率なら認証を付与される。何を重要指標と定めるか、経営戦略と適合しているかといった説明も必要となる。」

「企業は対応に苦慮している。アビームコンサルティングの22年9月の調査によると、人的資本の開示について「未検討」や「情報収集・推進検討中」と答えた企業が合わせて52%に上る。「やるべきことの全体像の把握」や「データ収集・可視化の基盤整備」が不十分だと考える企業が多い。」

「ISO認証には課題もある。ISO30414は職務を明確にするジョブ型雇用を前提とした指標が多く、メンバーシップ型が主流の日本企業に使いにくい部分もある。算出方法が不明瞭な部分もあるとされる。投資家にどのように分かりやすく伝えるか、企業の試行錯誤が続きそうだ。」

最近は毎日のように人的資本に関する記事が掲載されております。サステナビリティ開示の主役が気候変動から人的資本に移りつつあるのを感じます。