最近の処分通知では調書改竄指摘があるあるです。このようなことを許容する組織文化を変えない限り、いくら処分したところで本質的な改善は厳しい印象を持ってます。
「当監査法人は、検査実施通知日以降、検査官に品質管理関連資料及び検証対象個別監査業務に係る監査ファイル(以下「検査対象資料」という。)を提出する日までの間、一部の社員及び職員が、事後的に検査対象資料を作成し、あるいは、事後的に作成した監査調書を監査ファイルに差し込むなどした上で、その旨を秘して検査官に当該検査対象資料を提出した。」
下記、かなり広範にわたる監査調書品質をダメ出ししてますね…。
「これらのことから、収益認識に係る不正リスクの検討が不適切かつ不十分、重要な虚偽表示リスクの評価及び内部統制の不備の評価が不適切、重要な貸付取引の事業上の合理性の評価、債務保証損失引当金の検討及び重要な構成単位の識別に関する監査手続が不十分といった重要な不備が認められる。
上記のほか、不正リスクの評価が不適切並びに仕訳テストの検討、繰延税金資産の回収可能性の検討、事業構造改善引当金の検討、将来計画の見積りの検討、取得原価の再配分の検討、資産除去債務の検討、セグメント情報に関する注記の検討、内部監査人の利用に係る検討、内部統制監査の評価範囲の検討及び監査上の主要な検討事項の記載に係る検討が不十分、さらに、売上高の分析的実証手続、売上原価の実証手続、売掛金の実証手続、棚卸資産の実証手続、特定項目抽出による試査による実証手続、監査サンプリング及びグループ監査に係る監査手続が不十分、くわえて、子会社株式の評価、のれんの評価、構成単位の固定資産の減損、決算・財務報告プロセスの検証、取締役会等の議事録の閲覧、監査役等とのコミュニケーション、個人情報の取扱い及び独立性の確認が不十分であるなど、広範かつ多数の不備が認められる。」
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監査法人ハイビスカスは規模の割に多くの金商法監査に手を広げている法人という印象です。
BIG4と監査契約解除した中小上場会社の受け皿となるべく、最近中小監査法人が雨後の筍のごとく設立されています。当面は金融庁による処分の嵐が続き、品質維持する力のない監査法人は上場会社監査からの撤退/他監査法人との再編/解散等に向かうものと推測します。上場会社監査の担い手が拡大している記事は以下ご覧ください。