役員報酬の決定にESG指標を反映する企業が増えてきたという記事です。

ポイント1:日経企業(日経225企業)の2割がESG指標を導入、UK(66%)や米国(51%)と比べると見劣りする。

役員報酬の決定にESG指標を反映させる企業がじわり増加中だ。デロイトトーマツグループの「役員報酬サーベイ(2021年度版)」では、回答企業(非上場企業72社を含む1042社)の6.4%となり、前年より1ポイント増えた。また、信託協会が22年3月に公表した「ESG版伊藤レポート」によると、日経225銘柄企業の約2割に当たる43社が、役員報酬制度に何らかのESG指標を設定している。デロイトトーマツコンサルティングの淺井優シニアマネジャーは、「66%がESG指標を評価に反映している英国や米国(同51%)と比べると大きく見劣りするが、日本企業は他社が動き出せば、急ピッチで追随する」と予想する。3年以内には日経225企業の半数が導入するとみている。

ポイント2:ESG要素は業績連動報に組み込まれるケース多い。業績連動報酬割合が4-5割としてESG指標は業績連動報酬の5-10%をESG指標に連動させている。

ポイント3:ESG指標としてCO2削&従業員エンゲージメントを加味するケース多い。

日経ESGでは、役員報酬にESG要素を導入した主な企業を調べた。以下の3つが制度設計のポイントである。第1に役員報酬のどの部分にESG目標の達成度を反映させるか。役員報酬は、額が確定している「固定報酬」と、業績目標の達成に応じて変動する「業績連動報酬」で構成される。業績連動報酬はさらに、単年度の業績達成に連動し現金で支払われる「年次賞与」と、中長期の業績達成に連動し株式で支払われる「株式報酬」に分かれるが、ESG指標は、業績連動報酬の株式報酬のみか、株式報酬と年次賞与の両方に反映されるケースが多い。第2に評価ウエート。役員報酬全体の何%をESG指標と連動させるかだ。情報開示している企業で、おおむね業績連動報酬の5~10%をESG指標と連動させている。業績連動部分が報酬の4~5割として、役員報酬全体の2~5%程度をESG指標に連動させるケースが多い。第3に評価の基準となるESG指標を何にするか。ESG指標は、財務指標に比べて達成度合いの確認が難しく、結果的に投資家に評価されにくいという課題がある。客観性が高い指標として、CO₂排出量、女性管理職比率、ESG評価機関のスコアなどの外部評価、従業員エンゲージメントスコアなどを採用している企業が目立つ。

個人的には明治が下記評価を重視しているという点に関心を持ちました。

ESG評価指標として採用したのは、MSCI ESG Raitings、DJSI、FTSE4Good、CDP(気候変動)、CDP(水資源)。これらの指標を選んだのはなぜか。明確な理由があるという。「MSCIとFTSEは開示情報を基にスコア付けされるため、客観性が高い指標として機関投資家が非常によく見ている。DJSIは企業の回答結果で評価されるが、その質問が幅広く、我々のESGの取り組みのレベルアップに役に立つ。CDPは環境関連で、国際的に評価されている指標だ」(古田CSO)。