いま日本企業の経営が大きく変わろうとしている真っ只中に我々はいる、ということを問題提起した記事です。ざっくり要約しますと…
1.企業価値向上は国策ではないか?なぜなら少子高齢化によりこのままでは年金財政も厳しい、NISA拡充しても国民に元手がなければ不発に終わる。企業価値向上して経済活性化させることこそが日本の生きる道。PBR1倍割企業対応もその文脈の中にありそう。
2.じゃあこれから何が起こるかというと2点。1点目は企業価値向上にもっと向き合えというムード強まる。ROIC/ROE上げろ、BSに十分な収益あげない資産(持合い株式等)持つな、みたいな。ソニーや日立が事業立て直したときと同じような動きが広がるのでは?2点目は従業員が1点目の動きにやる気をもって取り組めるのか、という点。もはや終身雇用は崩壊しており、そんな環境の中では企業方針を一方的に押し付けてもついてこない社員多い。
2点目の動き(従業員のやる気)が1点目よりも重要と思いました。ベタですが結局人が経営するので。
ROICと働く情熱の両立 日本企業の進む道 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
三菱UFJ国際投信の友利啓明さんは、事業戦略に加えて、社員がその方向に動く仕組みが作れているかを重視するファンドマネジャーで、両者が一体に機能し、ほおっておいても持続的に成長していく会社ならば、いずれ株価に業績が追いつくから、指標的に割高であっても買って何年も持つそうだ。こんな投資家には初めて会ったのだが、考えてみると、まあまあの会社を素晴らしい割安価格で買うより、素晴らしい会社をまあまあ適正な価格で買う方がいいというバフェット型投資に似ていて、ただ、見るところが、従業員の力を含め、企業を総体的に生き物のようにとらえているところが独特だ。こうした視点は明確なトレンドになりそうに思われる。5月18日に開かれたソニーグループの経営方針説明会では、アナリストからの人材に関する質問に、吉田憲一郎会長がパーパスの両義性に触れて、経営戦略の起点であると同時に、「(会社で)多くの時間を使って情熱を傾けられるか、共感を持てるかというのは、社員の力に直結する」と答えていた。会社の理念や意識の高さで従業員の創造性や革新力を引き出すことの重要性を言っているのだろう。今は若い社員が多く辞め、それをトップが人事部に、どうして辞めているんだと問いただす企業が多いと推察されるが、本当は経営そのものだ。