エクイティスプレッドという言葉をご存じでしょうか?自己資本利益率(ROE)と株主資本コストの差になります。理論上は株主資本コストを上回るROEであれば株主の期待を超える利益率を出していることになります。この記事はエクイティスプレッドが大きい会社ほどPBRが高いことを実証しています。

株主の期待上回る高収益 首位ZOZO、知財に強み – 日本経済新聞 (nikkei.com)

株主資本コストとは企業が株主から調達した資本にかかるコストを算出した数値だ。投下した資本から得られるリターン(ROE)が株主が期待する利益率(株主資本コスト)を上回れば企業は価値を創造しており、下回れば価値を損ねていることを意味する。一般に事業のリスクが高いと見なされる企業ほど資本コストが高くなりやすい。ROEから株主資本コストを引いたものを「エクイティスプレッド」といい、プラスならPBRが1倍を超える傾向がある。

上位30社で株主資本コストが1%台だったのはサンリオとラクスだ。サンリオはハローキティなど定番の人気キャラクターから安定的にグッズやライセンス収入を得ている。運営するテーマパークの来客数が新型コロナウイルス禍から回復したのも反映しているようだ。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも資本コストが1.7%と低い。一方、23年3月期のROEが2ケタでもエクイティスプレッドがマイナスとなったのは海運大手だ。川崎汽船はROEが58%と高水準だったが、エクイティスプレッドはマイナス17ポイントだった。コンテナ船運賃が下落傾向にあり、業績の先行き不透明感が強いことが株主資本コストを押し上げているようだ。川崎汽船のPBRは0.8倍程度にとどまっている。

資本コスト36%(三井松島)はすごいですね、よほど先行き明るくないとみられているのでしょうか。