三菱マテリアルの監査人があずさからトーマツへ異動になりました。1965年からあずさに合流した個人事務所による監査期間もあずさによる監査期間としてカウントした場合、60年弱あずさが監査していることになります。

監査委員会が有限責任監査法人トーマツ(以下「新会計監査人候補者」)を会計監査人の候補者とし
た理由は、現会計監査人である有限責任 あずさ監査法人(以下「現会計監査人」)の監査継続年数が
長期間にわたっており
、新会計監査人候補者により新たな視点での監査が期待できることに加えて、
新会計監査人候補者においても、グローバルでの監査体制、専門性、独立性、品質管理体制等につい
て監査が適正に行われる体制が備わっており、当社の会計監査人として適任であると判断したためで
あります。

金井氏はあずさの副理事長を務められています。2022年3月期から大物会計士を三菱マテリアルの筆頭社員に据えることで監査契約維持を図ろうとしたのかもしれません。

三菱マテリアルの監査報酬は2022年3月期で342百万円(KPMGグローバルで523百万円)です。一方で先日トーマツからあずさに異動したブリヂストン2021年12月期監査報酬は467百万円(DTTグローバルで2,404百万円)です。直近三か月の異動でみるとトーマツは三菱マテリアルを獲得しても監査報酬という視点では負けが込んでいるということでしょうか…。

ここ数年で大型アカウントの監査人異動が増えており、サプライズではなくなってきました。ちなみに三菱マテリアルもブリヂストンも監査人異動する直近2-3年で非監査報酬を急速に引き下げています。たまたまかもしれませんが監査契約維持のために意識的に非監査業務を削減した、とも見えます。

ちなみに監査人が非保証業務を手掛けることについて今後世界一律で強い制限がかかります。

「日本公認会計士協会「倫理規則」の改正を踏まえた監査役等の実務に関するQ&A集」を公表 – 日本監査役協会 – CFOニュースPlus (cfonewsplus.com)