東証プライム上場のミマキエンジニアリングが四半期報告書提出を延期しました。EUによるロシア向け制裁規制措置違反の可能性あり、罰金等に伴う引当金や偶発債務の有無が不明確であることから提出を延期したとのこと。

当社は、2023 年3月期第3四半期報告書の提出について、2023 年2月9日に行うべく準備を進めてまいりましたが、その過程で、当社欧州子会社であるミマキヨーロッパ(オランダ)の販売取引において、EU によるロシア向け制裁措置違反の可能性があることが判明いたしました。これを受け、有限責任監査法人トーマツと協議を行った結果、当社において本件に関する事実認定及び再発防止策の策定を行うことといたしました。しかしながら、本件に関連する罰金等に係る引当金の計上及び認識すべき偶発債務の有無は現時点で不明であり、開示ガイドライン24-13④に該当することから、2023 年3月期第3四半期報告書の提出期限を延長すべく、本件四半期報告書の提出期限延長に係る承認申請書を提出することといたしました。具体的な経緯は以下のとおりです。

会社の話なのにわざわざトーマツの名前出すのはなぜなんですかね?トーマツから「四半期レビュー報告書出さない」、とでも言われたんでしょうか?、と思って読んでいたら…。

その後、2023 年3月期第3四半期決算のレビュー過程において、欧州法定監査人は本件に関する欧州
法定監査人法務部門の見解も踏まえ、ロシアに対する EU 制裁措置に違反している可能性のある顧客に
対しては監査サービスを提供しない方針であることから、今後のグループ監査並びに法定監査について
は受嘱ができない
旨、及び受嘱する場合にはミマキヨーロッパにおける法令違反の有無についての外部
機関による法的調査と出荷先に関するデューデリジェンス並びに出荷フローの見直しとそれに基づく
実践が条件である旨を、ミマキヨーロッパに対し通知いたしました。これを受け、ミマキヨーロッパよ
り、現地の法律事務所に 2023 年1月 20 日に依頼して、本件が EU 制裁措置に違反するか否かの取引状
況調査を同日から開始いたしました。

現地法定監査人がNG出したのがトリガーになったのですね。おそらく”欧州が重要な構成単位”→”現地監査人がレビュークリアランス発行できないと宣言”→”トーマツも連結監査人としてレビュー意見を表明できない”、という流れでしょうか?

それにしてもEUの規制を守るため最終消費者まで抑えることは至難の業だと思います。こんなこと言いだしたら他社でも同様な話が出てきそうな気もしました…。皆様の会社でも点検が必要かもしれないと思い、やや古い情報にはなりますが寄稿しました。